ハピネス
すると千熊君はホッとした様に口元を緩め、背もたれに深く背中を預けた。


「じゃあ今回のオルゴール騒動は、殆ど解決って事でいいんじゃないかな?龍汰は早乙女さん責め過ぎたって反省してるし、早乙女さんも龍汰に怒ってないみたいだし」


笑顔で話を進める千熊君に、もう一度頭を縦に振りたい。


――――だけ、ど………


「…私、巴ちゃんとはまだ……」


そうだ…例え比嘉君が許してくれたとしても、まだ1番傷ついたであろう巴ちゃんとの溝が残ってる。


昨日の巴ちゃんの泣き顔を思い出すと、ちょっと浮上しつつあった心がまた沈むのを感じた。
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