ハピネス
準お別れ
「巴、早乙女連れて来た。開けるぞ」


そう言った比嘉君が、クリーム色のカーテンをシャッと開ける。


「…天祢ちゃん……」


「巴ちゃん………」


カーテンに囲まれていたベッドの中にはこちらをジッと見つめる巴ちゃんがいて、心臓が掴まれた気がした。


今日は昨日比嘉君と約束した通り、巴ちゃんにちゃんと謝る為病院にやって来た私。


休日なので午前11時に比嘉君と待ち合わせして、先程病室の前では比嘉兄妹のお母さんとお話してしまった。


『あ、あの、娘さんのオルゴールの事…本当にすみませんでした!』


『いいのよ、早乙女さん』
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