ハピネス
不意に背後から声をかけられ振り向くと、そこには比嘉君の姿が。


「飲み物買いに行っただけにしては遅いから探してたんだけど……どうした?」


パパッと周りを見渡すと、すでにリリアはどこにもいなかった。


比嘉君が休憩スペースに近づけたという事は、結界を解除してどっかに行っちゃったんだろう。


まったく…まぁいいや。


まだずっと会えなくなるには、時間があるハズ。


「何でもないよ。ごめんね比嘉君、帰ろうか」


愛しい人に駆け寄り、一緒に歩き出す私の事を窓の外の木から見つめる不思議な白い鳥の存在に………私は気づかなかった。
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