無愛想で糖度高めなカレの愛
「あんたの彼氏はチャラいもんね」

「それはそれでいいの!」


結局彼氏のことが大好きな妹に、私はクスッと笑った。

忘年会の翌日、夕浬くんは私をここまで送ってくれたのだけど、偶然居合わせた沙織とも会ったのだ。その時の沙織の目の輝かせっぷりときたら、芸能人でも見てるかのようだったわ。

そんな彼女だけど、急に真面目な調子になる。


「でも、本当によかったね。前の彼氏のこと結構引きずってるっぽかったから、ちょっと心配してたんだよ」

「沙織……」


思わぬ言葉に、私は目を丸くする。まさか心配してくれていたなんて。

天真爛漫で、あまり私のことなんて考えていなさそうな妹だけど、やっぱり根は優しくて姉想いだ。

まぁ、私もこんな沙織のことが可愛いから、今も一緒に暮らしていられるのだけど。

ちょっぴり感動していると、彼女がにっこり笑って一言。


「あのワイルドイケメンを逃したらもうあき姉の人生終わったと思ってたけど、まだ神様に見捨てられてなかったんだね~」

「おい」


思わずつっこんでしまった。勝手に人の人生終わりにするなよ。

据わった目になる私だけど、嬉しそうにする沙織につられてすぐに気を良くし、その日は久々に妹と恋バナに花を咲かせたのだった。


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