無愛想で糖度高めなカレの愛
弱々しくなっていく声とともに、私はまた俯いた。

言い訳されたとして、許していたかどうかはわからないけど、それでも弁解してほしかったなと思う。勝手だけど。

ふいに、髪を滑るぬくもりを感じて目線を上げた。優しく頭を撫でる恵次は、珍しく眉を下げている。


「そんなふうに思わせてごめんな」


……トクン、と胸の奥で優しい音が奏でられる。

恵次がこんなことを言うなんて。なんか、ちょっと変わった?

甘く優しい言葉を吐くのはオハコだったけれど、意外と薄情というか、あまり人のことを気に掛けるようなところはなかったから。

ぽかんとする私の頭から手を離した彼は、フロントガラスに目を向けて言う。


「過去に浮気をしたのは事実だから、言い訳はやめようって思ったんだよ。一度きりでも、浮気は浮気だからな。グダグダ言いたくもなかったし」

「……一度きり?」


ついその一言が引っ掛かってしまい、聞き返すと、恵次はキョトンとする。


「本当に? たったの一度?」

「あぁ。ここまでさらけ出してんのに、今さらサバ読む必要ないだろ」


運転席に身を乗り出しそうな勢いで迫る私から、彼は少しギョッとしたように身を引いていた。

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