無愛想で糖度高めなカレの愛
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バレンタイン商品の企画は、女性向けのものと、定番のものに高級感を増して改良したピュアチョコレートなど、数種類の試作を続けている。
今日の十一月最後の会議では、試作品の最終確認をして、その後はパッケージについても議論し合う予定だ。
会議室のミーティングテーブルの上に並べられたお皿には、一口大のチョコレートが種類別に盛られている。
お水が入ったコップをお供に、それを一粒ずつ摘んでは食べ、感想や問題点をそれぞれまとめていた。
「ん~、美味しいですねぇ先輩!」
「うん、前より濃厚で高級感が出せてるね」
今日は私の隣に座っている美結ちゃんと、幸せな気分でチョコレートを味わう。仕事とはいえ、毎回試食する時を楽しみにしているから。
私が提案した女性向けのチョコレートも、今回の試作品にはコーティングに乾燥のフランボワーズを入れたことで、ちゃんと酸味が感じられて良くなっている。
これはイケる。よくやった、研究室の皆様!と内心拍手を送っていると、美結ちゃんが指で摘んだフランボワーズチョコを眺めながら、突然こんなことを言い出す。
「ちょっと配合や製法を変えただけで変身するんですよね。チョコレートも、オンナも」
「いきなりどうした」