月下美人の咲く夜を

ご両親の計らいで親族として式を終えた俺は、心も体も疲れ果てながらふたりのアパートに戻り、彼女の香りが微かに残るベッドに倒れこんだ。

「……………こんなに愛してるのに。」

口から勝手に出るのは苦しい溜め息を吐き出すような言葉。その言葉はまるでナイフのように鋭く…心を切り裂いた。

溢れて止まらない涙を…次から次へと掻き出しながら。


そして………夢を見たんだ。



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