月下美人の咲く夜を


「ちゃんとごはん食べてね。痩せてるよりガッチリしてる方が私は好きだよ?」


「洗濯物はちゃんとたたんでしまわないとシワができちゃうよ。」


「お仕事お疲れ様。付き合いでもお酒、飲み過ぎちゃダメだよ?そんなに強くないんだし。」


あなたは知らないけど、私は毎日たくさん話しかけたんだよ?


でも、ね。


「…月人。………ねぇ、月人。」


「あの、ね…。月人。………月人。」


「月人っ!ねぇ、こっちを…見て…!」


いくら話しかけても声は届かなかった。


いくら手を伸ばしても、空を切るばかりだった。


狂おしいほどの想いを溢れさせて、狂いそうな孤独の中を…、私はただただ必死に祈り続け、願い続けた。



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