ぼくらのストロベリーフィールズ
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中1になった頃、深夜徘徊で補導された。
いつものメンバーと夜中に花火をしながらぎゃーぎゃー騒いでいたら、
通りすがりの人に通報されたらしい。
『人に迷惑かけるんじゃないって言ってるでしょ!』
『…………』
珍しく母は僕の素行に対して怒りをあらわにした。
その理由は知っている。
『まあまあ。遊びたい年頃だし仕方ないよ』
『でも、悪い友達とつきあって、危険なことに巻き込まれたら……』
『大丈夫だよ。一吾くんは君に似て、人を見る目はあると思うから』
感情的になっている母を、中年の男がなだめている。
こいつは母のお客さんでかつ、母の新しい彼氏。
『一吾くん。遊ぶのはいいけど、お母さんを不安にさせない程度に、ね』
その彼氏はニコニコと薄っぺらい笑顔で僕に接してくる。
うさんくささと気持ち悪さが同居したような、目の奥まで笑いきれない男。
会社を経営しているとかなんとかで、お金は持っているらしいけど。
母に人を見る目があるとは一切思わないし、
今の母は『息子をしっかりと育てたい母親』の姿を彼氏の前で演じただけだ。
時々、母がその彼氏を家に連れ帰ってきた。
そいつは僕との距離のはかりかたを探っているのか、
僕がうん、とか、はぁ、とか適当な2文字でしか返事をしなくても、ニコニコと愛想よく接してきた。
ばかばかしくて、家に帰るのが嫌になった。