ぼくらのストロベリーフィールズ







『邪魔すんなって言ったべ? このクソガキ! って。あいたたた!』


『何、ぐるぐる巻きの状態で暴れてるんすか』



入院先を訪れると、包帯とギブスに包まれた達也さんの姿があった。



早めに警察が来てくれたおかげで、達也さんはいくつかの骨折とケガで済んだ。



タバコ吸いてぇーとうるさかったので、僕もつきそうことに。



中庭の喫煙所で、松葉杖を置いた達也さんはまぶしそうに煙を吐き出した。



『達也さんこれからどーするんすか?』


『とりあえず退院したらすぐユメナのばーちゃん家に行くわ』


『そうですか。寂しいっすねー』


『なー』



緑色の葉っぱが風にのってガサガサと音を立てていた。


僕は自分がしたことが合っていたのか不安だったけど。



『一吾ちゃん、あんがとね。命拾いしたわ』



達也さんは、煙と一緒にそうつぶやいた。




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