ぼくらのストロベリーフィールズ


「は? 何? な、何言ってんの?」



「だってナズちゃん一吾くんのこと狙ってるんでしょ? 私勉強会とか開いてあげたじゃん!」



積もり積もったイライラのせいで冷静さを失いつつある私。


対して、慌ててまわりを見まわすナズちゃん。



急に話題を振られて驚いたのか、一吾くんは自分で自分を指さした。



男子たちがヒューヒューと冷やかす中、


彼は「無理」と一言でナズちゃんを振った。



「……っ!!」



ナズちゃんは恥ずかしさと怒りが頂点に達したらしい。



私のシャツの胸倉をつかみ、「てめぇ、マジ殺す」とすごんできた。



「まあまあまあまあ。ちょっと落ち着こうね2人とも」



苦笑いを浮かべた尚紀くんが、ナズちゃんを私から引きはがした。


その他の男子たちは、みんなぽかーんとしていた。



って。うわーーー!



私、さっきナズちゃんとかなりの言い合いをしちゃった!?



恥ずかしい! 落ち着けー落ち着けー。



「ぷっ、あはは! やべ、超おかしー」



一吾くんは口を覆って笑い出した。


さっきの状況が面白かったのだろう。



「ちょ、笑わないでよ! こっちだって必死なんだから!」



私はイラっとして、一吾くんに行き場のない興奮のかけらをぶつけてしまったが、


彼はこう続けた。



「めんどーだし。さっさと勝負つけちゃえば?」



「は? 勝負って?」



「タイマンとか?」



――はい!?





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