ぼくらのストロベリーフィールズ
9-1
☆
「オレはのばらちゃんかな~」
「うーん、でもクズカワ女のほうが強そうじゃね?」
サトゥーくんとヒュウガくんが楽しそうに話している。
それにしてもナズちゃんのこと、クズカワ女って……。
「……わっ!」
私はナズちゃんのビンタを寸前のところでガードした。
男子たちは、私と彼女のどっちが勝つかで賭けをしていた。
もう! こっちは必死なのに!
ナズちゃんは強い力で襲いかかってきた。
私の髪や腕をつかもうと手をのばしてくる。
体育祭での騎馬戦のように、私は必死に両手を使ってそれを防いた。
ガリッとナズちゃんの爪が頬に入った、その時。
一吾くんが突然口を開いた。
「おれ、のばらに賭けるわ。今月のバイト代全部」
――はい!?
一吾くん……それ貴重な生活費でしょーーー!!