ぼくらのストロベリーフィールズ

9-1








「オレはのばらちゃんかな~」


「うーん、でもクズカワ女のほうが強そうじゃね?」



サトゥーくんとヒュウガくんが楽しそうに話している。


それにしてもナズちゃんのこと、クズカワ女って……。



「……わっ!」



私はナズちゃんのビンタを寸前のところでガードした。


男子たちは、私と彼女のどっちが勝つかで賭けをしていた。



もう! こっちは必死なのに!



ナズちゃんは強い力で襲いかかってきた。


私の髪や腕をつかもうと手をのばしてくる。



体育祭での騎馬戦のように、私は必死に両手を使ってそれを防いた。



ガリッとナズちゃんの爪が頬に入った、その時。


一吾くんが突然口を開いた。



「おれ、のばらに賭けるわ。今月のバイト代全部」



――はい!?



一吾くん……それ貴重な生活費でしょーーー!!



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