ぼくらのストロベリーフィールズ




「一吾くんデザート食べよーよ。イチゴフェアやってるよー」


「いらない」


「そうー? おいしそうなのにー」



席では、ナズちゃんが一方的に話しかけているだけらしく、一吾くんはスマホをいじったままだった。



尚紀くんと会話をしながら席に戻ると、


「のばらちゃんと尚紀くんって仲良いんだね~」


とナズちゃんにニヤニヤされてしまう。



私は、あははと適当に笑ってごまかしたけど。



「へーそう見える? 嬉しいかも」


と言って、尚紀くんはニコリと笑った。



おお、さすが尚紀くん。紳士的な対応ですこと。



一吾くんは相変わらず無表情のまま。


時々指をトントンとテーブルにたたきつけている。


きっとタバコ吸いたいとか思っているんだろうな。



それから、無理やり一吾くんにも問題集をやらせたり、ナズちゃんが一方的に解き方を披露したり。


しばらく時間を過ごした後、尚紀くんがバイトの時間になり、今日は解散となった。




< 75 / 315 >

この作品をシェア

pagetop