ぼくらのストロベリーフィールズ
「一吾くんデザート食べよーよ。イチゴフェアやってるよー」
「いらない」
「そうー? おいしそうなのにー」
席では、ナズちゃんが一方的に話しかけているだけらしく、一吾くんはスマホをいじったままだった。
尚紀くんと会話をしながら席に戻ると、
「のばらちゃんと尚紀くんって仲良いんだね~」
とナズちゃんにニヤニヤされてしまう。
私は、あははと適当に笑ってごまかしたけど。
「へーそう見える? 嬉しいかも」
と言って、尚紀くんはニコリと笑った。
おお、さすが尚紀くん。紳士的な対応ですこと。
一吾くんは相変わらず無表情のまま。
時々指をトントンとテーブルにたたきつけている。
きっとタバコ吸いたいとか思っているんだろうな。
それから、無理やり一吾くんにも問題集をやらせたり、ナズちゃんが一方的に解き方を披露したり。
しばらく時間を過ごした後、尚紀くんがバイトの時間になり、今日は解散となった。