ぼくらのストロベリーフィールズ

3-2








ごうん、ごうんと音を鳴らしながら、黒や紺の洋服が混ざり合い円を描いている。


奥の方では、知らないおばさんが毛布を大きな洗濯機の中に突っ込んでいた。



「一吾くん、洗濯機持ってなかったんだね」



コインランドリーって初めて来た。



一吾くんは手慣れた様子で、小銭を入れて機械を動かしたのち、

ずっと漫画を読んでいた。



「…………」



私も一吾くんの隣の椅子に腰をかける。



洗濯機と乾燥機が壁際に並べられている店内は、コンビニくらいの広さがあった。



「頭、ちょっとプリンなってきたね」



「もうすぐ染めるよ。バイトの店長にもう少し暗くしろって言われた」



「そうなんだ。てか何で金色にしたの?」



「別に。なんとなく」



「へー」




水がばしゃりと渦を巻く音や、機械と洋服がこすれあう音が、あちこちで鳴っている。


一吾くんは再び漫画の世界に戻っていった、と思ったけど。



「で。どうだった?」



彼は漫画から目を外し、横目で私を見た。



「うん。まー。出てったよ、お母さん」



「ふーん」



「お父さんも今日からまた出張行っちゃった」



「ふーん」



あんまり興味なさそうだなぁと思っていたら、


ピー、ピー、と乾燥が終了した音が店内に鳴り響いた。




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