ぼくらのストロベリーフィールズ
ふらりと一吾くんがお菓子やお酒を見に行った隙に、再び野菜をカゴに入れておいた。
作りたいものあるのに、買い物だけで一苦労だよ。もう!
「言っとくけど酒はダメだからね! 未成年でしょ!」
と一喝すると、やっとおとなしく私の後ろをついてきた。
レジの近くにデザートコーナーがあった。
あ、イチゴがのったムースが半額だー! 美味しそう。
「そういえば、一吾くんってまだイチゴ食べれないの?」
「んー? どーだろ」
そうはぐらかしつつも、彼の視線はそのデザートに向かっていた。
もうカゴの中のものは次々とパートらしきおばさんに清算されているため、今回は買わなかったけど。
もしかして、一吾くん……!?
もう名前のせいでいじめられることなくなっただろうし、本当はイチゴが好きなのでは?
ま、たぶん答えてくれなさそうだし、黙っとこー。