KISSしてダーリン。

大暴走




放課後


HRが終わったばかりのカイの教室にすかさず侵入した。


鞄を抱えて部活に行こうと椅子から立ち上がったカイの目の前に立って道を塞ぐ。



「ナツ…?」



突然現れた私を驚いた様子で見るカイ。



「あ…昨日は、ごめん」



昨日……?


口を開こうとした私を遮って言葉を発するものだから、思考が停止してしまう。


……あ!そう言えば!!


昨日勝手に怒って帰ってから、カイと連絡とってなかったんだった!!


……すっかり忘れてた…



「い、いや…」



一気に顔に熱が集まり、恥ずかしさが込み上げてくる。


別れを告げることしか頭になかったため、昨日のことを思い出して今すぐにでもここから逃げ出したい衝動に駆られた。



「部活終わったら家まで送るから、待ってて」



初めて見る、カイの申し訳なさそうな表情に、恥ずかしさや昨日の怒りなんて飛んで行ってしまいそうで。


先程の光景もウソだったんじゃないかと思ってしまう。



< 25 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop