KISSしてダーリン。
 


肩を落としてぐしゃぐしゃと髪を乱し続けていた手を止め、俺のその一言で決意したような表情を浮かべた。



「もう取られてたりして」


「……溺死させるよ」



立ち上がったカイにまたからかいの言葉を向けると、絶対零度の目で見降ろされた


あ、やばい、本気だ。



「俺のことも溺愛してよ」


「お前は溺死のほうが似合ってる」



プールに沈められるのをなんとか阻止して練習に戻るカイの背中を見つめた。



バシャンッ



水中に戻った彼に、先程までの姿は見られなかった。


いつも通り……キレイだ。



ナッちゃんに見合うのは、カイしかいないし、


カイに見合うのも、ナッちゃんしかいない。



きっと、2人のこと一番応援してるの、俺だから。


だから、俺のためにも、早く仲直りしてね。



友人X【完】



 
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