ずっと、君に恋していいですか?
志信はキーケースから薫の部屋の合鍵を外し、それをギュッと握りしめた。
(違う…。オレが言いたいのは、こんな事じゃない…!)
今度こそ伝えようと思っていた言葉が、喉の奥に張り付いたように留まって出てこない。
今更自分の気持ちなど伝えても、前を向いて他の誰かとの幸せを掴もうとしている薫にとっては、迷惑でしかないのかも知れない。
志信の心はまた、薫の口から“志信との恋はもう終わった”と聞かされる事を恐れている。
だけどせめてひとつだけ確かめたい。
「あの時もし…結婚してくれってオレが言ったら、薫はついてきてくれた?」
「……わからないよ…。」
「そうか…。」
(結局、答えてはくれないんだな…。)
志信は薫の手を取り、合鍵をそっと握らせた。
「これでもう、オレと薫を繋ぐものは何もないよ。」
薫の目から、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。
「…ずるいよ…。志信はいつも私に答えを求めてばっかりで…自分の気持ちなんか言ってくれなかった…。それなのに私の答えも待たずに、勝手に一人で決めて…。」
「ごめんな…。」
(違う…。オレが言いたいのは、こんな事じゃない…!)
今度こそ伝えようと思っていた言葉が、喉の奥に張り付いたように留まって出てこない。
今更自分の気持ちなど伝えても、前を向いて他の誰かとの幸せを掴もうとしている薫にとっては、迷惑でしかないのかも知れない。
志信の心はまた、薫の口から“志信との恋はもう終わった”と聞かされる事を恐れている。
だけどせめてひとつだけ確かめたい。
「あの時もし…結婚してくれってオレが言ったら、薫はついてきてくれた?」
「……わからないよ…。」
「そうか…。」
(結局、答えてはくれないんだな…。)
志信は薫の手を取り、合鍵をそっと握らせた。
「これでもう、オレと薫を繋ぐものは何もないよ。」
薫の目から、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。
「…ずるいよ…。志信はいつも私に答えを求めてばっかりで…自分の気持ちなんか言ってくれなかった…。それなのに私の答えも待たずに、勝手に一人で決めて…。」
「ごめんな…。」