ずっと、君に恋していいですか?
社内格差と結婚願望
薫は、玄関のドアを見つめて呆然としていた。

急に会いに来たと思ったら、突然帰って行った志信の事を気にしながら、薫は首をかしげて部屋に戻る。

来た時から志信の様子はいつもと違った。

酔っていたのかも、とも思うが、話し方も足取りもしっかりしていたし、そんなに酔っていたようには思わない。

(志信、一体どうしたんだろう…。何かあったのかな?)



自宅へ帰りついた志信は、ジャケットを脱いでネクタイをゆるめると、大きなため息をついた。

(かっこ悪…。何やってんだろ、オレ…。)

ただ無性に薫に会いたかった。

会って顔を見たら、抱きしめてキスしたいと思った。

突然会いに来た事を薫が嬉しいと言ってくれたら、薫が自分だけの薫だという事をもっと確かめたくなった。

(まだ月曜日だよ?…って…言われなくてもわかってるよ、そんな事は…。)

何曜日だって、薫を好きな気持ちも、薫に触れたい気持ちも、一緒にいたいという気持ちも変わらない。

ただ、薫のために約束を守って我慢しているだけだ。

(仕事の後も会社にいる時の延長みたいなんだもんな…。残業じゃないっつうの…。)

志信は悶々としながら、ワイシャツを脱ぎ捨ててバスルームに向かった。


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