ずっと、君に恋していいですか?
本当は今すぐにでも結婚して、一緒に暮らしたい。

社内の人間の前でも“卯月さんの同期の笠松です”ではなく、堂々と“オレは薫の夫です”と言えるようになりたい。

結婚して、一緒に暮らして、薫と家族を作りたい。

だけど、こんなふうに思っているのは自分だけなのかも知れない、と志信は思う。

仕事が大好きで、責任ある仕事を任されている薫は、結婚を望んでいるだろうか?

結婚や妊娠・出産で、女性の環境は大きく変わる。

仕事をしていれば尚更だろう。

今の志信には、自分と結婚して家庭を持つ事が薫にとって一番の幸せだと言い切る自信がない。

社内でその仕事ぶりを認められている薫は、この先の出世が約束されているようなものだ。

表面上は公にはならなくても、自分と結婚する事で、薫の仕事に何かしら悪影響を及ぼしたりしないだろうか?

逆に、お互い同じ会社で働いているのだから相手の仕事の事は理解していても、仕事が理由で二人の仲がうまくいかなくなったりはしないだろうか?

大事な仕事を犠牲にしてまで、薫は自分を選んでくれるだろうか?






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