流れ星スペシャル
「平日はフツーこんなに混めへんねんけど、今日は団体さんが多くて……あの、名前何?」
カーテン越しに、そう聞かれた。
「えっと、沢井梓です」
「アズちゃんでいいやんね」
カーテンから出ると、マジックで『アズ☆』と書かれた名札を作ってくれていた。
ビニールのカバーに入った首からぶら下げるやつ。
「好きにデコっちゃって」
とペンを渡されたけど、こんなラメペンを手にすること自体、相当久しぶり。
見るとその子は『うるるん』と書かれたキラキラ輝く名札を首からぶら下げていた。
「ふふ、可愛い。うるるんっていうん? 宜しくね」
「ハーイ、こちらこそ」
「これは忙しそうやし、後にするわ」
デコペンを返してそう言うと、その子は大声を上げた。
「ひゃっ、ほんまや。トシにキレられる! あの子メッサ恐いねん」
と大慌てでホールへ戻っていく。
その後ろ姿を見送りながら、どっと不安が押し寄せてきた。