流れ星スペシャル
「桂木に『焼き』教えたんお前やろ?」
西条さんが口を開いた。
「いや、教えたとゆーか、焼くところをずっと見せただけです。そしたらあの人、ずっとずっとずーっと見ていました」
「ふ~ん」
「おかしな人ですよね」
この人は桂木さんのことをどう見ているんだろう?
実際のところを聞きたくなる。
「どないすんねん、あのサラリーマン」
西条さんがそう聞いた。
「どうもできませんよ。ボクら決める権利ありませんし」
「お前、ほんまに店長運ないなぁ。あんなやつ辞めさせて、自分が店長になればええやん」
「そんなに……ダメですか、桂木さんは」
と話を向けてみる。
「オレ、キライやねん。サラリーマンは」
とてもシンプルに西条さんは答えた。
「安西、お前も中卒やろ? オレも中学出てから、自分の腕一本でがんばってきたんや」
「はい」
「失敗しても誰も助けてくれへんし、自分の力で何とかするしかない。そやのにあいつらは何? 自分では何も背負わずに、やたら命令してくる。机の上で計算した経営戦略を、上から目線で振りかざしてくる」
「何かあったんですか、そんなこと」
桂木さんのことではないようなので、聞いてみる。