流れ星スペシャル
慌てて自販機横のラックにある求人のフリー誌を掴んで、顔を覆うようにそれを開いた。
うるるんと頬を寄せ合い、その冊子を眺めるフリをして声を潜める。
するとトシくんは、何も気づかずにわたしたちの真横まで来て、自販機にコインを投入しだした。
ヒー……。
それを買いたかったの?
「はい、ナルちゃん」
そう言って、トシくんが買ったばっかの水のボトルを差し出したのは、なんとわたしたちの目の前にいる女の子だった。
普通に可愛いOL風の人。
わたしよりちょっと若いかな?
きっと今までお店で接客していたお客さんだ。
こんな清楚な感じの人でも、ホストクラブに行ったりするんだな……。
「ナルちゃん、今日はありがとう。……あれ? 友だちは?」
トシくんはもう一本買ったボトルを渡す相手を捜すように、キョロキョロしている。
「あの子には、先に帰ってもらってん」
ナルちゃんという人は、トシくんにそう説明した。
「へ? そうなん?」
フ。しゃべるといつものトシくんなんだ。
「うん。今夜はわたし、ホテルに部屋を取ってあるから……。明日はそのまま会社に出勤するつもりで、着替えも持って来てるんよ」
「へぇ」
それからその子はおもむろにバッグを開けると、白い封筒を取り出した。