流れ星スペシャル
「仲良くお手てつないで、何騒いでんの?」
男はニヤニヤとこっちを眺めている。
一応笑顔を浮かべているのに、威圧感がハンパない。
「あ、あなたがこの店の代表さんですか?」
それでも息を吸い込み、つないだ手を離すと一歩前へ進み出た。
ま、負けるわけにはいかない……!
「そうですけど、お宅は?」
「この子の姉です」
きっぱりとそう言い切った。そのほうが話が早いし。
「はぁっ?」
なのにトシくんが変な声をあげるから、思わずギュッと足を踏みつける。
「ィタッ」
「しっ」
小さな悲鳴を上げたトシくんを、わたしがたしなめると、男はさらに薄ら笑いを浮かべた。
「ほう……。トシヤのお姉さん?」
「はい」
「な~んや、トシヤ。こんなキレイなお姉さんがいるなんて、オレに隠してたんか~?」
わざとらしくゆったりとそう聞きながら、ニヤニヤ顔がトシくんのほうを向いた。
「こ、この子がお店を辞めると話したら、あなたに殴られたと言ってます」
向こうのペースに流されまいと、いきなり本題をぶつけた。
「ほう。被害届でも出されますか?」
すると男は否定はせずに、柔らか、かつ丁寧に言葉を返してきた。
なんだか逆にバカにされている感じ。
「そうですね。場合によっては」
その余裕の笑みをキッと睨みつける。
ま、負けるもんか……!