流れ星スペシャル
「飲み放題の料金やねんから、飲まな損やねんで。な」
若干的外れなことを言い、桂木さんはニコニコと飲み続ける。
「あっ、そうや。店長って、こないだまで普通のサラリーマンやったってほんまですか?」
「ほんまほんま!」
柚が大声で飛ばした質問に、みんなで答える。
そうして口々に、あの頃の桂木さんの様子を暴露しだした。
あり得ないくらい何も出来なかった赴任当初の桂木さん。
オレのブチギレ振りや、みんなの困惑具合。それからパワハラ研修の西条さんにボコボコに蹴られていたこととか……。
ちょっと前のことなのに、スゲー懐かしくて、みんなで笑った。
そのころいなかった3人や、当の桂木さんまで一緒になって大笑いして……
楽しくにぎやかに、夜は更けていった。
気がつくと、桂木さんはコクリコクリと舟を漕いでいる。
酒のせいなのか、疲れているのか、まーどっちもなんだろうけど……。
でも全然騒いだりせずに、ただ眠るだけ。
こんなんでストレス発散になるんかな……?
いや、いつもはこんなハイペースで飲んだりはしないから、今夜はこれで、この人なりに羽目を外しているのかもしれない。
桂木さんの横にちょんまり座り、アズはその寝顔を優しげに見つめていた。