許嫁な二人

   「次!どうした!」



 副部長の声に自分の番がきたことを知って、唯はあわてて
 頭を下げた。



   「城元小学校から来ました、碓氷です。
    弓道歴は2年です。」



 小学校の名前を言うとき、気になって上条の方を見たが
 上条は気にした風ではなかった。

 そしてそのまま穏やかな笑みを浮かべて上条は口をひらいた。



   「碓氷さんは、体力的に運動部は無理かもしれない
    と言われたが、弓道の筋が非常にいいので、
    入部してもらった。

    体力面でついていけなくなったときには、マネージャー
    の方へまわってもらうから、よろしく頼みます。」



 上条の言葉にその場は少しざわついたが、副部長の
 ”静かに!”という声で、その場は収まった。
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