許嫁な二人

 今日は弓道場の使い方や道具類の手入れの仕方を習い
 少し弓を引いただけなのに、すごく疲れたような気がする。

 目線を足下におとして、とぼとぼ歩いていたら



   「唯ちゃん!」



 と元気のよい声をかけられて、唯は顔をあげた。

 良世が校門のところで、自転車をひいて立っている。



   「どうしたの?」

   「駐輪場へいったら、弓道部の子達がいて帰って
    いったからさ、唯ちゃんもくるかなと思って
    待ってたの。」



 良世の笑顔をみて、疲れが少しふっとんだ気がした。



   「バス停までだけど、歩こう。」

   「うん。」



 自転車をひきながら、良世はバレー部の第一日目について
 おもしろおかしく話しをして聞かせてくれた。

 結構な数の入部者いるそうで、レギュラー入りは難しいかも、、
 なんて言っている。
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