ゼロの相棒
店の周りを見渡すと、町はいつも通りの時を刻んでいる。
薬屋の時だけが止まっていた。
「あなたがやったの……?」
私が尋ねると、少年は振り向きもせず答える。
「俺が魔法を解いたら元に戻るから大丈夫。」
一体なんなんだ?急に現れて…私を助けてくれた。
彼はすたすたと歩いて行ってしまう。
私は、置いて行かれないようについて行く
早足で歩かないと横に並べない速さだ。
私はそこで、改めて少年を見た。
背は私よりも十五センチほど低く
横から顔をちらっと見ると、整ってはいるが、やはりまだ幼い。
「あの…助けてくれてありがとう。あなたは………魔法使いなの?」
町の人々を縫うように避けつつ私たちは進む。
「薬屋に時を止める魔法をかけたの?」
「そうだよ」
さらりと言ってのけた。
こんな子どもにそのようなことができるのだろうか。