ゼロの相棒
私はその言葉を聞いた瞬間、辺りを見回す。
ゼロはいないよね…?
偶然にも、ゼロはここに居合わせてないみたいだ。
ふぅ、と息を吐いた後、私は改めてダリシーンを見る。
黒いマントに薄桃色の髪の毛。
灰色の瞳をした男性は、鋭い目つきをしている。
あれが、ダリシーン…。
私たちが見ていると、なにやら、王とガーディアンが話しているのが聞こえる。
「最近、この町に変な魔力を持つものがいるような気配を感じたんだが…。
何か変わったことは?」
ダリシーンの言葉に、ガーディアンの一人が答える。
「そういえば、つい昨日、あの混血児が都市外れの森で目撃されたとの情報がありました。」
混血児?
ゼロのこと…?
ラグナも黙ってそれを聞いている。
ダリシーンは顔色を変えずに言った。
「ついに、私を殺しに来たか…。禁忌を犯した愚王の息子め……。」