叶ったはずの恋。





『龍先生…俺、まだ子どもだから大人の恋愛ってどんなのか知りたいんだ。

教えてくれない…??』


机に向き直ろうとした俺に瑛司が声をかける。



『別にいいけど…

でも、大人の恋愛って中学生の恋愛と何も変わんないぞ??』


それでもいい、と瑛司が言うから俺は話を始めた。


あれは…今から4年前

そう言えばその彼女にフラれた俺を慰めてくれたのって夏希だったっけ…??



『俺にはな、結婚まで考えるような大切な人がいた。

まあ所謂…大恋愛ってヤツをしてたワケなんだけど。


大学で出逢ってお互い気づいたら惹かれあってて。
まあそこからはほぼ流れで付き合ったんだけど。


普通にデートもしたし、

普通にケンカだってした。


ケンカしてもいつも向こうから謝ってくれてさ。

別れを感じる瞬間なんて1度もなかったんだ。』


瑛司は俺の話を相づちを打ちながら聞いてくれて。


夏希と同じようなオーラを感じた。





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