叶ったはずの恋。
『夏希は僕のことを受け入れてくれました』
『僕は夏希を必ず幸せにします』
島先生、そんなこと言って電話を切った。
胸がえぐり出されたのかと思った。
それくらい、辛くて苦しかったんだ。
立っていられないくらいの衝撃で。
誰もいない廊下に座り込んだ。
でも、それは自業自得なんだよ。
俺は島先生に手紙で伝えた。
『夏希のことよろしく頼む』
って。
『夏希のこと、幸せにしてやってくれ』
って。
だから島先生の行動はまったくおかしくないんだ。
むしろ、当然のことだった。
こうなることくらい分かってたのに
胸の隅のほうで少しの期待があったんだろうな。
『夏希は俺のことを待っててくれる』
って。
なんの根拠もなしに。
3年も経ってるのに。
バカだな…俺。