悪魔な君に恋をして

deep






私は黒澤くんの事が知りたくて
最近図書室に通っている。


ここの学校の一番誇れる場所は
図書室と言ってもいいほど凄い。




あたり一面にある壁の本棚には
ズラーッと何千冊もの本が入っていて、



雰囲気も魔法使いの
学校のようなレトロ感がある。




私はそんな図書室の一番奥にある
本棚に向かった。




そして一冊一冊、本の題名を
なぞりながら目をスライドさせていく。



これとこれはもう読んだし、
次はこれにしようかな??




私は目当ての本を本棚から抜きとろうと
するけど、手が届かなくて抜けない。



はしごはあっち。

仕方ない、遠いけど取りに行くしかないな。




私が本を目指して伸ばしていた手を
スッと引くと代わりに私の横を
スッと通り過ぎて伸びた。




大きいけど細くて白い手は
私が抜こうとしていた本を簡単に
抜いてしまう。



あ、取られた…




私が悲しくうつむくと
本が目の前に差し出された。





『これ、さっき読もうとしてた本だよね?』




私はパッと顔を上げて
本を差し出した相手を見ると



そこには透き通るくらい白い肌と
くせっ毛のある栗色の男が立っていた。





『あ、ありがとうございます!』



私はその場でぺこりと頭を下げる。





私は顔を上げた後に


"悪魔の基本説明書"と


英語で書かれた本を受け取った。





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