Time Paradox
リリアーナはソファーに座ると、手に持っていた地図と机の上の辞書を交互に眺め、ため息をついた。

地図の隠し場所を変えなければならないのだ。


立ち上がって部屋を見渡すと、ふと額縁に飾られている絵が目に入った。

なるほど意外な場所があったではないか。
今日のリリアーナは冴えているようだ。


早速大きな絵を壁から外してみることにした。

だがリリアーナの身長の半分ほどもある絵はとても重く、壁から外すのにも時間がかかってしまった。

これではいざという時、すぐに地図を取り出せない。

リリアーナは何とかして絵を壁に戻すと、額縁の側の壁紙が剥がれかけている事に気が付いた。

リリアーナは急いで机の引き出しから糊を取り出した。

そして壁紙の剥がれかけた部分を少し手で押し広げ、地図の入る幅を残し、周りを糊で貼り付けた。

リリアーナは壁紙の一部にポケットのようなものを作り、地図をそこに隠しておこうと思ったのだ。

遠目から見ても違和感がないことを確認し、作ったばかりの壁のポケットに地図を仕舞った。


リリアーナはほっと胸をなで下ろすと、替えの下着とネグリジェを持って部屋に備え付けてあるシャワー室へと向かった。
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