Time Paradox
「レストランのバイトはまだやってる?」

「あぁ。やっと慣れてきたところだよ!今日は朝の7時前からだったけど、混んでたから6時頃にやっと上がりで…そしたら帰り道の途中でリリアーナに呼び出されたよ。」

「そうだったのね!どうりでアパートから来るにはちょっと早いなぁって思ってたのよ。」

その時ちょうど城の鐘が鳴り、リリアーナはハッとした。
きっと今7時を回ったところだろう。

「…リリアーナ、戻らなくて大丈夫なのか?」

リリアーナはおずおずと頷いた。

「そろそろ夕食の時間だろ?」

戻りたくないリリアーナは俯いた。

「急がないとマズイだろ?」

リリアーナはジャックを見上げると、頷いた。

「…また呼び出してもいい?」

「あぁ…リリアーナが大丈夫ならな。」

「じゃあ今日の…11時過ぎは?」

「分かった、じゃあ約束な!」

リリアーナは頷くと、指切りを交わした。

「じゃあ今日の夜ね!」

「あぁ。ほら、急げ、リリアーナ!」

そう言ってジャックはリリアーナの背中を押した。
< 135 / 229 >

この作品をシェア

pagetop