Time Paradox
リリアーナが家に帰ってしばらくすると、ノックもせずにジャックが飛び込んできた。


「リリアーナ!今までどこ行ってたんだよ⁉︎」


ジャックのものすごい剣幕に驚いたリリアーナは、何も言えなかった。


「何してた⁉︎」


リリアーナはいつ出かけたのかを思い出そうとしたが、まだ記憶が混乱しているため、昨日の夢と昨日起こった現実が混ざってしまっていた。


「何…してたんだろう…?」

「リリアーナ、ふざけてるのか?」

リリアーナの答えに、ジャックはさらに不機嫌になった。


「…私の名前、リリアーナ…?」


ジャックはため息をついた。


「何言ってんだよ?」

「分からないのよ!昨日の記憶なのか昔の記憶なのか…」

リリアーナは訳も分からず涙目になっていた。


「…何かごめん、リリアーナ。」


そんなリリアーナの様子を見て、ジャックは申し訳なくなってしまった。


「…とりあえず落ち着け。」


なぜか泣いているリリアーナの背中を、ジャックはさすってやっていた。


最初は泣いていたリリアーナだが、しばらくすると、寝不足ということもあって眠りに落ちていた。
< 22 / 229 >

この作品をシェア

pagetop