Time Paradox
「リリアーナ様、モンフォワーシュにつきましたよ!」


二人のうちの若い方の呼びかけによって目を覚ますと、窓の外には石畳の道やレンガ造りの家々が並んでいた。


「うわぁ…素敵な街‼︎」


リリアーナは勢いよく列車から降りると、石畳の歩道を駆け回った。


「お気に召していただけたようですね。」


年をとった方が言うと、リリアーナは嬉しそうに頷いた。

すると、年を取った方が自己紹介をし始めた。

「申し遅れましたが私、案内役のセドリック・カルローでございます。」

「その息子、ジャック・カルローでございます。」

「えっ、二人は親子だったの⁈」

その事を知らなかったリリアーナは驚いた声を出すが、言われてみれば似ている二人が、笑顔で頷いた。


「それではリリアーナ様の新居へご案内致しましょう。」


ジャックがそう言うと、ちょうど曲がり角から大きなバスがやって来た。

そのバスは次第に勢いを弱めると、3人の目の前で停まった。


「さぁ、行きましょう!」


リリアーナはあまりのタイミングに驚きつつも、二人の後に続いてお金を払い、バスへ乗り込んだ。
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