Time Paradox
リリアーナはドレスを着せてもらい、化粧、ヘアセットまで少女にしてもらった。


「リリアーナ様、とってもよくお似合いです!」

「そんな、お世辞なんて…あ、ありがとう。」

リリアーナは照れながらもお礼を言った。


いつの間にか陽はすっかり傾いていて、パーティーももうすぐ始まろうとしていた。

「リリアーナ様、会場の華ですよ!今夜のパーティーも頑張ってください!」

リリアーナが憂鬱なのを知っていたのか、少女はそう励ました。

「ありがとう!あなた、名前は?」

少女は一瞬驚いた顔をしたが、また嬉しそうな顔に戻った。

「デイジーです。デイジー・ペルツ。」

「そっか!よろしくね、デイジー!」

リリアーナは笑顔でそう言った時、部屋のドアがノックされた。

デイジーがいそいそと開けると、ルーカスが立っていた。

「リリアーナ様、お時間です。」

そう言ってルーカスは、いつもの冷めた笑顔で手を差し出す。

リリアーナはデイジーの方に笑顔を向けると、ルーカスに向き直り、軽く膝を折って手を乗せた。


ホールの扉の近くまで来ると、リリアーナは深呼吸をした。
そして顔を上げて会場へと入っていった。
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