無邪気な姫と気だるげな騎士
そして俺はまんまとその罠に引っかかったわけだが。
ちなみに言うと、今日の王子たちの口づけは本当はしてないらしい。
だから、姫様のファーストキスは俺。
そう考えるとにやけてしまう。
「まぁ、騙していたことは悪かったと思うが、まさかふかーいキスでいくとは思わなかったなぁ。」
そして王様はニヤニヤしながらずっとからかってくる。
「嫉妬しやすくてすみません。俺、とりあえず姫様のところ行きたいです。」
「あー、ラディーも妻から今までの事情聞いてると思うから、安心していってね。」
王様のその言葉を背に姫様の部屋に向かう。
「姫様っ!」
部屋に入ると姫様は顔を真っ赤にして唇を抑えていた。
「き、きききききキスしたの?」
動揺しすぎだな、姫様は。
……すげぇそそられる。
女王さまは空気を読んでかすぐに出て行ってくれた。
「はい。……でも本当無事でよかった。」