修羅は戯れに拳を振るう
受け身も取れずに地面に落ちる修羅。

そこへ、すかさず圧し掛かる龍宇。

馬乗り、格闘技で言うマウントポジション。

修羅は龍宇の下でもがき暴れながら、何とか体勢を崩そうとするも、龍宇は拳槌打ちを容赦なく浴びせ、修羅の頭部を殴打する。

真上からの頭部への打撃。

しかも打たれる度に、修羅は硬い地面にも頭を打ち付けられる。

危険な攻撃だった。

言うまでもなく、頭部の強打は死に直結する。

龍宇ほどの武道家が、知らぬ筈はない。

完全に殺しにかかっているのか。

流石の修羅も、強打を食らい続けて動きが鈍くなってきている。

抵抗が薄れ、体に力が入らなくなる。

あと数撃頭部を殴れば、完全に死に体となろう。

そうなれば龍宇に生殺与奪は握られる。

生かすも殺すも龍宇次第。

だが。

「！？」

そこまで修羅を追い詰めておきながら、龍宇は自ら修羅から飛び退いた。

そして叫ぶ。

「俺の力は、そんなものの為に研鑽してきた訳ではないっっっ！」

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