修羅は戯れに拳を振るう
龍宇も闘いの中で見せた虎撲烈波。

師である修羅が使えるのは当然の事。

莉々は腹を押さえ、うつ伏せに横たわる。

内臓が掻き回されたようだ。

耐えようにも耐えられず、地面に嘔吐する。

「さて…だいぶ予定は狂ったが」

修羅は莉々の長い金髪を鷲摑みにした。

「お前は龍宇の復讐の糧となれ。よく聞こえるように上げるのだぞ」

ニヤリと笑う修羅。

「悲鳴をな」

指の第一関節を折り曲げる形、『熊手』での打撃が、莉々の脇腹にめり込む!

「がぁあぁぁあぁあぁあっ!」

肋骨の隙間に食い込む打撃。

骨に守られていない箇所を痛打され、激痛に莉々は呻いた。

…その夜、女の悲鳴が何度も格闘特区に響き渡ったのを、近くの通行人が耳にしたという…。

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