鬼部長の素顔
9時半……
充には何も言わず、私は充のアパートに来た
けど、充に会うことができず
どうにかして、自分のアパートに帰ってきた
いつもなら、充は笑顔で私を出迎えてくれて、抱きしめてキスをくれるはずだった
充の部屋の前に来て、インターホンを押そうとした時、中から話し声が聞こえた
「10時には彼女来ちゃうから…ごめんね」
それは充の声だった
誰かを送り出そうと玄関に来たんだろう
もしかして、浮気?女?
そう思って、インターホンを押さず
ドアに耳を当ててしまった
「しかたないよ、それは」
そう答えた声は……男の子だった