鬼部長の素顔


「……手作り?」



『あ、はい。……あっ、もしかして人が作ったものは無理な人でしたか!?』



たまにいるんだ
他人が作ったものは無理な人

部長もそれなのかと、焦っていたら
フッ……と笑われて



「いや、大丈夫。腹減ってたから助かるわ」



それが嘘だったとしてもいいんだ
受け取ってくれたことには変わりない


『では、お先に失礼します』


私は頭を下げ、自分の席に戻る
机の上、パソコンをチェックし
鞄を持ち、更衣室へ向かおうと席を立った



「元気になって、よかったわ」


不意に言われた言葉に
私は部長を見た、けど部長はパソコンに視線を向けてすでにキーを打ち込んでいた


麻耶先輩だけじゃなく、檀野部長まで心配をかけていたなんて、かなり申し訳ない気持ちになった


私は頭を下げ、フロアを後にした
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