鬼部長の素顔


リビングに戻れば美味しそうな匂い
テーブルを見れば
オムライスと野菜スープ


こんな短時間で作っちゃうなんて
もしかして、料理も得意なのかな?


たべるぞ、と椅子に座る部長
私も慌てて座り、手を合わせて


『……いただきます』


ちらっと部長を見れば
同じように手を合わせ、
いただきます、とスプーンを持っていた



なんだか新鮮だった
見たことのない部長が見れて
なんか……嬉しい



……は?
嬉しい?
私が?………なんで?


自分で思って自分で突っ込む
なんか変だ。
二日酔いのせいか?


「不味いか?」


部長の言葉に振り向いた


『えっ?』


「難しい顔してんぞ?」


そう言って私の眉間に触れた


「あ……、違います。美味しいです!」



そう言うと、そうかと笑ってくれた
その顔にまたドキッとした



何…なんなの……反則だよ。
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