Tearstaind Karanchoe

自分の苗字をつぶやきながら、A組の頭から目で字の羅列を追っていると。

男女別に分けられたA組の名簿

二つ上に“立花” そして、“宮一”を見つけ、飛び上がろうとした私。

瞬間、舞い上がりふわっと浮いた紙の中。

“宮一”の隣に並んだひとつの名前。

“夏目 優汰”

風が流れて、元のように落ち着いたその紙を、まるで穴が開くほどに見つめたのに。

“宮一”と“夏目”

確かに並んだふたつの名前に、心が鷲掴みにされたような気がした。


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