Unhappy children
Unhappy county
今よりずっとずっと昔にいつかこの国は終わるだろうと予言をした人がいたと言う。これを聞いて僕は思う。
“何故そうならなかったのか、そうなってくれなかったのか”と。
いっそ終わってくれたらどんなに楽だったか…。そんな事をもうずっと考えて、幾度となく頭の中で反芻する。

「125番!時間だ。今すぐ遊戯場へ来い!」

「………。」

「何をしている!早くしないか!」

「チッ」

開かれた扉から毎日決まった時間に呼び出され自分の意志に関係なく遊戯場へ連れて行かれる。こんな毎日を過ごし始めてもう3ヶ月は経っただろうか。3ヶ月前は500人近くいた子供も今はもう200人程度しか残っていない。

「いっそのこと、死んじまおうかな…」
こんな事を呟いても所詮死ぬことなんて出来ない自分が一番情けない。死ねない理由が死んでいった子供たちのためとか、自分以外の誰かの為ならば、格好もつくのに。結局僕は唯の臆病者で、それでいて自分以外の誰かの為になんて死ぬことが出来ないだけなのだ。

「よし、着いたぞ。さぁ、中へ入るんだ」

「…はい。」

ガチャッ「…どうも………。」

「やぁ、待っていたよ125番!じゃあ、始めようか。」

そして、今日もまた僕達の不幸の日々は紡がれていく。






< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop