ときめきました、あなたに

時はたち

つぐみが見つからないままに流れた

生活にも慣れ独り身の剛志
久し振りに外出した。

こどものはしゃぐ声を聞きながら

「おじちゃん、こんにちわ」

怪訝そうに

「おじちゃんお口ないの?」

「あぁ、おす」

「こんにちわ」

「お前の親はどこだ?」

「おじちゃんとママだい」

「で・・・・・」


「やっぱり塚本、子供だな」

「河島か?久し振りだな、でこの口の達者なガキお前のか?」

「このおじちゃんに名前言って」


「うん、ぼくは、 つむら あゆみ
5才」

「つぐみのか?」

「ああ、あの時のだよ」

「おじちゃん、このおじちゃんはだれ?」


「この人はあゆみのお父さんだよ」

「ママを泣かせたおじちゃん?それでママご病気になってお口が聞けなくなった」

「うん、そうだよ、覚えていたんだ、偉いぞ」


「で、つぐみは?」

「体調が悪くなって来たから、今診察している」


3人で話した

「あゆみは、日本に連れて帰る
その間にちゃんとな」

あゆみと離れたくないって河島に

「大丈夫 すぐ連れてくるから」

「あゆみ、ママと離れるけどいいか?」

「うんぼくおとこだもん、それにすきな女の子いるから、寂しくない」

あゆみって抱きしめた
「ママは早くおしゃべりできたらいいね、ぼくママの声ききたいな」

「おじちゃんは、ママをいじめたらぼく戦うから」

「お お・・・・わかった、ママと仲良くするからな、安心しろ」


おいで、つぐみ」手を差し出した。
躊躇して繋ごうとはしない

剛志さん、ため息つきながら
とぼとぼ歩き始めた。

うまくいくのかと・・・・
「なあ、つぐみはどうしたいのか?」
振り向くと、姿形が見当たらない
まさかって元いた場所にいくと、ただずんでいた。

「こっちにおいで」

何言っているのかって首をかしげて、怪訝な顔立ちに変わった。

「なあ、俺達 一応夫婦だぞ、ナンパしてるんでないぞ?」


目に涙をため、剛志さんをしっかり見つめ、にこりとして手をつないだ。

今までの苦労はなんだったんだ?
俺今、子育てしているのか?

「なあ、何か作って食べよう?」

久し振りにつぐみの手料理と楽しみにしてたら、また台所でつつたっていた。

「まさか?何もかも忘れたのか?」

また首をかしげて、不思議そうに剛志さんを見ていた。




河島さんに聞くと、そんな事はないはずだとただ話せないだけだ

じゃあ、今いるのは?誰なんだ?
なにも理解できないって、俺を試しているのか?

俺今子育て?
会社のスタッフに聞いたら、普通に話しますよって、俺には話さない?何故なんだ

「つぐみ、いい加減に話してくれないか?」

首かしげて不思議そうに
俺を覚えていないのか?

イライラも爆発
唇を塞いだ
凄く抵抗してた

「何故なんだ?俺が何したのか?


疲れたってさっさと寝室にはいった

つぐみは、ありったけの思いをしたためた。




私の家族は、あゆみとみくだけ
あの人誰なの?
河島さんは旦那だと言っていたけど私結婚なんてしたことないのに

知らない人となんで生活しなきゃあいけないの?

私の何を知っているの?


私は誰なの?

つぐみって言われても私にはわからない、わからないのに何故なんにも教えてくれないの?


ここにはいたくない、あゆみと二人で生活したい、
早く迎えに来てください

目を覚ました 横にいてほしい
つぐみがいなかった。

あわててリビングに行くと、殴り書きした手紙だけが置いてあった


俺から何故逃げる?
俺が何した?













「社長、つぐみさんを朝見かけましたけど何かしたんですか?寂しそうに、ただずんでいた」


「どこへ?」


「もういないかも、空港にいたから」

「空港だな?」


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