ルルー工房の月曜の午後
ⅵ.
ⅵ.
「お水汲んできました!」
聖堂にベルの元気な声が響く。
もう八割ほど出来上がった天井画を見上げながら、ベルは漆喰を生成しているジルのそばに、手に持った二つの水桶を置く。
ちら、と顔を上げたジルは、「どうも」と小さく呟くように言って、再び作業に戻った。
火曜日に主祭壇の天井画に取り掛かりはじめて、四日目。
今日は金曜日だ。
予定ではあと二日――日曜日は最後の微調整にあてられることになっているから、実質あと一日で、天井画を完成させなければならない。
今のところは予定通り順調に進んでいる。
「予定通りに完成できそうだね」
ベルはアズライトでせっせと青色を作りながら、隣でウルトラマリンに使うラピスラズリの粉砕作業にいそしむリュカに言った。
「だね。無事完成できたら、日曜の夜は宴会だって親方が言ってたよ」
「完成祝い?」
「いや、ベルの歓迎会」
「お水汲んできました!」
聖堂にベルの元気な声が響く。
もう八割ほど出来上がった天井画を見上げながら、ベルは漆喰を生成しているジルのそばに、手に持った二つの水桶を置く。
ちら、と顔を上げたジルは、「どうも」と小さく呟くように言って、再び作業に戻った。
火曜日に主祭壇の天井画に取り掛かりはじめて、四日目。
今日は金曜日だ。
予定ではあと二日――日曜日は最後の微調整にあてられることになっているから、実質あと一日で、天井画を完成させなければならない。
今のところは予定通り順調に進んでいる。
「予定通りに完成できそうだね」
ベルはアズライトでせっせと青色を作りながら、隣でウルトラマリンに使うラピスラズリの粉砕作業にいそしむリュカに言った。
「だね。無事完成できたら、日曜の夜は宴会だって親方が言ってたよ」
「完成祝い?」
「いや、ベルの歓迎会」