【完】ぎゅっとしててね?
「おはよ。芙祐最近遅刻しすぎ」


「おはよう。待っててくれてありがとう藍ちゃん」


「芙祐はマイペースすぎるよ。だいたい芙祐は、」



今日も遅刻魔は藍に怒られてる。


教科書を取ろうとロッカーまで来る途中。
俺の席を横切るけど。



あいつが見向きもしないことに慣れた。




もうしんどい。


やめた。


あと一回、最後に話したら終わりな。



3月。
もうすぐ終業式だし。
クラス変わるし。


俺理数科行くし。


……芙祐なんかもういいし。




放課後、今日は冊子づくりを頼まれてるから。
ちょうどいい。



大嫌いな悪魔と決別式。



あと6時間。
しんど。



同じクラスにいたら、いやでも目に入るんだよ。


癖?
目があの自由人の自由っぷりをつい追ってる。



そのたびにそらすのももう沢山。



早く3年になりたい。





< 399 / 449 >

この作品をシェア

pagetop