強引なカレの甘い束縛


そのときの私はただ曖昧に笑っただけで、はっきりとOKしたわけではなかったけれど、その日から数日たったクリスマスイブの夜。

何故か陽太はシャンパンを手に我が家にやってきた。

ぎりぎり予約が間に合ったというクリスマスケーキもちゃんと用意し、私へのクリスマスプレゼントだと言って渡されたのは、真っ白な陶器のお茶碗とれんげだった。

それも、大きさが違う二組。

『七瀬の雑炊をさらにおいしく食べられそうだろ?』

その日以来、我が家の食器棚には陽太と私のお茶案とれんげが並んでいる。

お箸と湯呑やマグカップ。カレー用のお皿も含めれば、この数年で陽太とおそろいの食器はかなり増えた。

輝さんに教えてもらった卵雑炊だけでなく、私の手料理を食べにくる機会が多くなるに比例して増えていったそれらの食器を見るたび、陽太とのつながりを感じてホッとする。



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