強引なカレの甘い束縛


「あ、公園が見えてきた」

公香のはしゃいだ声に、視線を向ければ、大通りの向こうに公園が見えてきた。

「アイス、楽しみだな。陽太君とはんぶんこするとおいしいんだよ」

公香はわくわくした声でそう言って、公園に行くのが待ちきれないかのようにずんずん歩いていく。

私は慌てて公香の手を握り直した。

「陽太は甘いもの、大好きだから……」

というより、大抵のものはおいしいと言って食べてくれるけど……。

これまでの陽太の表情を思い出していると、青信号が点滅していることに気づき、立ち止まった。

姉さんと私と手をつなぎ、おとなしく立ち止まった公香は、あたりをきょろきょろと見回したかと思うと。

「あ、陽太君」

大声で叫び、両手を私と姉さんから離すと、そのまま走り出した。

通りの向こう側に陽太の姿が見える。

「公香っ」

その背中を捕まえようと手を伸ばしたけれど、あっという間に公香は横断報道に飛び出した。

そして、続いて差し出した姉さんの手は空を切り、公香を捕えることはできなかった。

それどころか、突然のことに足元のバランスを崩し、その場に倒れこんだ。

「公香、だめ。戻りなさい」

地面に膝をつきながら叫ぶ姉さんの声に、一瞬公香は立ち止まり振り返った。

けれど、すでに横断歩道の真ん中あたり。向こう側に渡ろうか戻ろうかと泣きそうな顔をしている。

信号は点滅を終えて赤信号に変わり、今にも車が動き出そうとしている。

クラクションが響き、その大きな音を聞いて、公香はくしゃりと顔をゆがめた。

私は姉さんをその場に残し、飛び出した。



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